クリニックブログ

2017.03.02更新

最近の大腸がんの生存率には目を見張るものがありますが、一体何が良くなったのでしょうか。新規抗がん剤は分子標的治療が開発中ですが、ほぼ出尽くしている感があります。先日、私の後輩が大腸がんの化学療法について講演会を行ったので、頑張って聞きに行きました。要するに、抗がん剤の治療はまずファーストラインの治療を行なって、それでも再発が見られた時にセカンドラインの治療を行なうようです。ここまでは、副作用があってもホストは耐えられるほどの体力があり、生存期間やQOLは向上します。ここまで治療しても再発した場合、今まで手立てが無かったので追加の治療は諦めていました。一時、免疫療法というのが選択肢にありましたが、エビデンスに乏しいため、あまり積極的に行われていません。最近、サードラインの治療として、副作用が少なく延命効果のある治療法が出てきました。これを別名サルベージライン(救援)治療といいます。具体的にはレゴラフェニブやロンサーフという薬を使うのですが、これによって生存期間が上乗せされたのです。もちろん、それに取って代わる治療が開発されればいいのですが、現状はなかなか難しいようです。それでも20年前に比べると、各段に良くなっています。後輩のような先生たちの努力によってもたらされたものです。先輩として、誇らしさを感じた日でした。

投稿者: みなと芝クリニック

2017.02.14更新

切らない痔の手術というのが世に出てから10年以上経ちますでしょうか。私は開院前から、茨城県でジオン注療法に取り組んできました。いかに切らないで痔を治せるか、今まで切っていたものを切らないで、切った時と同様の治療効果を出せるか、ある意味冒険でした。今では500例を超える治療経験から、切らずに治せる痔を判断することができます。最近、週刊朝日2月10日増大号「痔のいい病院 全国464リスト」が刊行されましたが、その中で各施設のジオン注療法の施行数が報告されています。症例数に目を取られると、有名病院ばかりがいい病院のような感じに受け取られますが、全体の手術の中で切らない治療を行なった比率(切らない率)を見るとその医療施設の性格がわかります。ちなみに東京都でリストされた中で、年間50例以上のいぼ痔の治療を行なった施設に限りますと、当院は上から2番目の切らない率(86%)でした。重症患者が多い病院と単純な比較はできませんが、切らないで治すという信念が数値で表されたのだと思います。これからも精進していこうと思います。

投稿者: みなと芝クリニック

2017.01.23更新

小池都知事の「都民ファースト」、トランプ大統領の「アメリカファースト」など「~ファースト」が流行しています。それになぞらえると昔の日本は「仕事ファースト」、「経営ファースト」となりますね。今は時代が変わって「家庭ファースト」、「子供ファースト」かも知れません。外科の教授も以前は「研究ファースト」、「論文ファースト」でしたが、様々な反省から「臨床ファースト」、「手術ファースト」に変換しています。でも実際は「臨床ファースト」、「研究セカンド」というわけには行きません。どちらもファーストなのですが、要はバランスの問題だと思います。アメリカ滞在中に「家庭ファースト」と「仕事ファースト」を両立しているのを学び、帰国してからも実践するようにしています。開業医として「患者ファースト」でやっていますが、「家庭ファースト」も忘れていません。最近は「スタッフファースト」も心掛けています。「自分ファースト」は当分できそうにもありません。人の為に尽くすことができることは大変幸せなことだと思います。

投稿者: みなと芝クリニック

2017.01.13更新

遅くなりましたが、新年の御挨拶を申し上げます。本年も宜しくお願いします。今年は昨年に引き続き、大腸内視鏡検査の普及に努めるとともに、痔疾の治療も更にパワーアップしていきたいと思います。便潜血検査で陽性となった場合、その原因は腫瘍、ポリープ、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病、虚血性腸炎など)、痔疾(いぼ痔、切れ痔等)と様々です。当院ではそれらすべてに対応できるよう体制を整えてきました。特に痔疾に関しては、他院で手術入院と言われた方の9割方が、注射のみで治療可能であると判定しております。仮に切除が必要な場合でも、注射後に必要最小限の切除を行っていますので、日帰りで十分です。お悩みの方はいつでも相談可能です。また、陥入爪、巻き爪、粉瘤の外科治療、多汗症、腋臭などの美容皮膚科的治療も手軽に受けられるようにしました。幅広い領域をカバーし、患者さんに便宜を図れるよう、尽力して参ります。

投稿者: みなと芝クリニック

2016.12.17更新

以前、インフルエンザワクチンに含まれる防腐剤の有機水銀についてお話しました。その有機水銀について、東北大の先生方が妊婦さんにおけるメチル水銀(有機水銀)の摂取と子供の運動機能の発達の関係を報告しました。それによると、メチル水銀濃度が最高レベルの母親の子供は最低レベルの子供と比較して、運動機能が5%低下するということです。運動機能と知能発達は関連していると言われていますので、子供にとってメチル水銀の摂取は少ないほど良いことになります。国は1週間あたりのメチル水銀の摂取量をマグロ換算で80(0.81ppm)gと設定しています。刺身一切れが15gなので、5~6切れ程度となります。ワクチン一回分には0.001ppmのメチル水銀しか含まれていませんので、いかに安全かということが解ります。調査によると、約2割の妊婦さんが1週間の許容量を上回っているそうですので注意したいです。メチル水銀はマグロ以外にキンメダイに多く含まれています。妊娠中や乳幼児にはイワシやサバの方がいいみたいですね。

投稿者: みなと芝クリニック

2016.11.17更新

昭和脳という言葉を御存知でしょうか。

昭和脳
体育会系ど根性を美徳とする。ルールよりも人情、感情で動く。
考える暇があったらまずやれ。トライ・アンド・エラー精神。
仕事・会社への優先順位・忠誠度が高く、家庭よりも仕事が大事。上司や同僚に迷惑をかけられない。
テレビ、新聞などの大手メディアに慣れ親しんでいる。ネット情報を信用しない。

私の所属した医局は、バリバリの昭和脳集団でした。そこで私も指導を受けていたのですが、当時はどんなに辛くてもここを乗り切ればパラダイスが待っていると信じて頑張っていました。他の医局に移ろうとか、辞めようとかいう選択肢は全くありませんでした。若い時は、辞めたら家族や周りの期待を裏切ってしまうのではないか、次のところでもうまく行かないのではないかという強迫観念があるのかも知れません。これはある意味、自分で意思決定する力が弱いのかもしれません。自信がなく、不安になってしまうのです。事実、私も若い時は環境を変える勇気はありませんでした。でも、これは日本人はもともと、自立心を養う教育はされていない、つまり個よりも和を尊重する教育を重視しているからだと思います。米国にいた時、若い研究員がどんどん次の研究室を探して出ていくのを目の当たりにしました。より良い環境を求めて世話になった研究室をドライに辞めてしまう感覚は日本人にはありません。しかし、これからのグローバル社会では通用しませんので、行き過ぎた昭和脳は省みられなければならないのでしょう。マナーや礼節は日本人として基本ですが、もっと若い人に自立心を持たせる教育や指導をして、過労死を予防することが、われわれ昭和脳最終世代の役目と思います。

投稿者: みなと芝クリニック

2016.10.20更新

2週間ほど前にある患者さんからの紹介で、はちみつの本をお借りして読んでみました。日本薬局方にはちみつを「口唇の亀裂、あれにはそのまま患部に塗る」と書いてあるそうです。医療用はちみつの存在を知りました。元祖はニュージーランドで産生される「マヌカハニー」が最も有名ですね。でも、治療に直接使用されているとは思いませんでした。特にマヌカハニーにはメチルグリオキサールという抗菌成分が含まれており、歯周病菌のミュータンス菌をはじめとした悪玉菌の増殖を抑制することが知られています。一説にはピロリ菌にも効くという話もあるほどです。日本産ではそばや栗、菩提樹からとれたはちみつには鉄、銅、亜鉛など皮膚の創傷治癒、胃炎や潰瘍で傷ついた粘膜の修復に必要な成分が豊富に含まれていますので、はちみつを摂取することで傷、褥瘡、口内炎、胃炎や潰瘍が治ると言われています。その他に、はちみつに含まれるオリゴ糖やグルコン酸は腸内善玉菌のプレバイオティクスでもあるのです。従って、毎日はちみつを摂取することは体の免疫力を上げて、抵抗力を増す効果があるといえます。おおさじ一杯程度ならば、カロリーは気にする必要はありませんので、糖尿病の方にも安心してお勧めできる健康法です。

投稿者: みなと芝クリニック

2016.09.13更新

先日は低糖質ダイエットのメリットについて述べましたが、今回はデメリットとその対策について話します。一般に低糖質ダイエットを始めますと炭水化物をほとんど摂取しませんので、空腹感が強くなります。低糖質ダイエットではタンパク質や脂質の制限をしませんので、空腹感を紛らわすために肉類の摂取が増加します。従って、コレステロールが上昇してきますので、動脈硬化が進行し心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高くなると言われています。コレステロールに対しては不飽和脂肪酸特に多価不飽和脂肪酸を摂取することで、悪玉コレステロールの上昇が抑えられ、動脈硬化を防ぎます。食品としてはサバ、サンマ、イワシなどの青魚系やえごま油です。オリーブオイルは一価の不飽和脂肪酸ですので、オリーブオイルだけ摂取していてはバランスが悪くなるので注意してください。もう一つの問題点はダイエットとともに筋肉量が落ちてくることです。糖質を制限しますと筋肉内のタンパク質がエネルギー源として消費されてしまいます。それを補うためにタンパク質を多く摂る必要があります。特にロイシン、イソロイシン、バリンといった分枝鎖アミノ酸が筋肉形成には必要です。white meatと呼ばれる鶏肉や魚(赤身)に多く含まれますが、サプリメントの形で摂取するのも良いと思います。このようなことに注意して低糖質ダイエットを行えば、心配することはありません。是非、低糖質ダイエットで頑張ってください。

投稿者: みなと芝クリニック

2016.09.06更新

リオオリンピックでジカ熱が話題になりましたが、感染者が日本人でもポツポツ出始めています。アメリカでは感染が拡大しているというニュースも流れてきました。このウィルスに対するワクチンはまだ研究段階です。実用化が急がれていますが、先日、武田薬品工業が米国のNIH(保健省)からワクチン製造の依頼があり、補助金が交付されました。武田のMRさんに聞きますと、まだ作製には着手していないそうです。ところが、ついこの間、千葉県衛生研究所がジカ熱に感染した日本人からウィルスを分離したと発表があり、大阪と熊本のワクチン製造メーカーに提供したというニュースがありました。大阪は阪大微研、熊本は化血研です。化血研はワクチン製造法に国の基準違反があり、今年の5月6日に営業停止処分が解除されたばかりです。熊本の震災で製造能力が低下し、今年のインフルエンザワクチンが間に合わないということで、他社にワクチン製造の負担を強いている状況で、新しいワクチンの開発が安全性を担保してできるのでしょうか。マスコミも「熊本の」としか伝えておらず、名称を伏せたのはなぜでしょうか。やましいことがあるのでしょうか。何か利権がからんでいるような気がしてなりません。医療者としてこれからの動向を注視していきます。

投稿者: みなと芝クリニック

2016.08.30更新

糖質制限食で血中の糖を減らす方法と、余分な糖を尿中に排出させて血中の糖を減らすというSGLT2阻害剤は、糖を減らすという点に関しては変わりないのですが、体重を減らす効果は前者に軍配があがります。一体どこに違いがあるのでしょうか。前者は極端に糖質を減らすため、タンパク質や脂肪が分解されて筋肉量が減ってしまいます。筋肉の密度は高いため、少しでも減ると体重に及ぼす影響が強いのです。一方、後者は余分な糖を排出させるだけなので、徐々に体重が減少しますが、平均で3kg前後と言われています。ただし、ある程度糖質が入っていますので、タンパク質や脂肪の分解はそれほどでも無いと言えます。低糖質ダイエットは炭水化物の代替として糖質の少ない肉や乳脂肪の摂取が増えてしまうことが多いので、長期間続けていると動脈硬化が進む恐れがあります。摂り過ぎたコレステロールに対し、不飽和脂肪酸の摂取も積極的にしなければいけません。もちろん、SGLT2阻害剤を内服しているとはいえ、食べ過ぎは効果がありませんので、食事量は減らさなければ期待した結果は得られません。いずれにしても余分な体内の脂肪を燃焼させるために運動、特に筋肉のレジスタンス運動(有酸素運動はあまり糖の代謝に影響しない)が必要となります。低糖質ダイエットは効果が高いので初期に導入し、維持をSGLT2阻害薬で行うというのが無理のない方法かと考えます。

 

投稿者: みなと芝クリニック

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