クリニックブログ

2015.02.20更新

最近、オランダの研究グループから、偽膜性腸炎の患者さんに健康な人の便の腸内細菌を注入したところ病気が改善したという報告がありました。偽膜性腸炎は抗生物質の過剰投与などで腸内細菌叢が変化し、クロストリジウム ディフィシルという嫌気性菌が増殖して発症します。他の抗生物質に抵抗性があり、難治性で時に致命的になります。バンコマイシンという抗生物質が特効薬でしたが、近年、耐性菌もあると言われています。日本ではこの治療を潰瘍性大腸炎の患者さんに応用しようという動きがあります。潰瘍性大腸炎も腸内細菌叢の異常により発症すると考えられている部分がありますので、効果が期待できるそうです。私は過敏性腸症候群の患者さんにもいいのではないかと考えています。現在のところ、乳酸菌などの善玉腸内細菌を大量に補充することにより対応していますが、難点は時間がかかることです。悪玉菌を駆除するという観点からすると、大腸癌の予防にも使えるのではないかと考えます。いずれにしてもどのような腸内細菌のアンバラスが疾病と関係しているのかを明確にする必要があるでしょう。腸内細菌叢の検査は保険が効きませんが、約3万円で網羅的に知ることが可能です。

投稿者: みなと芝クリニック

2015.02.06更新

昨年の5月頃に糖尿病の新薬が発売されました。それから半年を経過して、その効能や副作用が報告され安全性が確認されてきています。新薬の総称はSGLT2阻害剤といい、腎臓での糖の再吸収を抑制し、尿に余分な糖を排出させることにより糖尿病を改善する薬です。最近の研究でどういった患者さんに適しているかが明確になってきました。•比較的若年で罹患期間が短い患者(インスリン分泌能が保たれている)•肥満傾向(水太り)•他の糖尿病薬では不十分なときの上乗せです。この薬を服用するとかなり体重が減ります(4-5kg)。私は治療薬というより、予防薬として有用ではないかと思いますが、残念ながら予備軍に対しては保険適応がありません。今年の5月より長期処方が解禁となりますが、それまでは2週間処方です。ダイエットしているのに今一つ体重が減らない、ヘモグロビンA1cの数値が7よりなかなか下がらないということでお困りの方はこの薬の内服をお勧めします。

投稿者: みなと芝クリニック

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