クリニックブログ

2020.04.02更新

血圧を調節するホルモンであるレニン-アンギオテンシン-アルドステロンの分泌量が増すと血圧が上がることが知られております。降圧薬(血圧を下げる薬)の一部にはこのホルモンの働きを抑えて、血圧を下げるものがあります。このうちのアンギオテンシンというホルモンが血圧上昇の最も重要な鍵を握っています。アンギオテンシンにはIとIIがあり、IIはアンギオテンシン変換酵素によりIから作られます。アンギオテンシンIIは血圧調節の中心的な働きをしているため、降圧薬はアンギオテンシンIIを標的として開発されてきました。その降圧薬の一つにアンギオテンシンII受容体AT1拮抗薬があります。この受容体をブロックすると、アンギオテンシンIIの作用が減弱しますが、この状態が長期間持続するとアンギオテンシンIIがアンギオテンシンに変換されなくなるので、アンギオテンシンIIの濃度が上昇した状態が続きます。その結果、アンギオテンシンIIがアンギオテンシンII受容体AT2を刺激し、アルドステロンが過剰になります。いわゆる、アルドステロンブレークスルーと呼ばれており、血圧が上昇するなどの心血管障害を進展させる有害事象が起こります。この事象が生じる頻度は6か月服用で約10%、1年で約53%と言われています。しかし、アンギオテンシンII受容体AT1拮抗薬のうち、オルメサルタンとアジルサルタンはアンギオテンシンIIをアンギオテンシンに変換するアンギオテンシン変換酵素2(ACE2)を活性化することで知られており、ACE2がアンギオテンシンIIをアンギオテンシンに変換することで、アンギオテンシンIIの濃度が低下し、アルドステロンブレークスルーが起きにくくなります。もし、降圧薬を服用している方で、最近、血圧の下がりが悪くなったと感じていましたら、かかりつけ医に相談することを勧めます。

投稿者: みなと芝クリニック


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